ながしながされ

ナガ氏が、釣り、自転車、料理、アウトドアグッズなどを紹介したりしなかったり

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手作り自転車の話(後編)

前編からの続き

話は今から12年前の2010年のハンドメイドバイシクル展のことになる。
今回を含めて結構前からハンドメイドバイシクル展は土日の2日間開催のイベントなんだけど、2010年は金土日の3日間開催だった。
その当時、職場が神保町だったので、科学技術館は徒歩圏で、わたしは金曜日に午後半休をとって、展示会場に向かった。
ハンドメイドバイシクル展が何回開催されているのかは知らないけど、2010年当時は今より規模が小さく、大手や有名なところの出展も少しはあったけど、町工場の本当の手作り自転車みたいな展示があったのを覚えている。

その当時、わたしはクロモリのロードバイクを探していて、見た目のかっこよさ重視だったので、「クロモリ、ホリゾンタル、メッキラグ」は条件として外せないと考えていた。
もちろんきちんとロードバイクとしての性能があることが前提ではある。
そういえば「男はクロモリホリゾンタル」みたいなセリフがある漫画もあった気がする。

それで、オーダー自転車を製造しているどこかのビルダーに委託することを考えたり、吊るしの完成車やフレームから「クロモリ、ホリゾンタル、メッキラグ」の自転車を探すことも考えたりした。
今でもそういうところはあると思うけど、評判の良い有名ビルダーに委託すると納期1年とかザラで、なるべく早くほしいとなると、ビルダーへの発注は選択肢から外さざるを得なかった。
また、ビルダーとなると職人気質が強そうで、コネもツテもなく、初めてロードバイクを買おうとしている一見のわたしがいきなり工房のようなところに行って、オーダーをお願いしたい、それも見た目重視の自転車を作ってほしいというのは、大丈夫なのかなという不安もあった。

その一方で、吊るしの完成車やフレームとなると、ちょっとわたしの好みと違う部分があったりして、なかなかこれというものがなく、好みに完ぺきに合致した「Casati(カザーティ)」というイタリアのメーカーのものは予算オーバーだった。

そして、オーダー可能で納期が比較的早そう、価格も予算内、そしてあまり頑固職人というイメージがないマスプロの自転車も扱っていて、工房ではなく自転車屋さんで購入可能なところということで、最終的にブリジストンのスポーツ自転車ブランドのANCHOR(アンカー)のNEO-COT(ネオコット)と、パナソニックサイクルテックのPOS(パナソニックオーダーシステム)の二つに絞り込んだ。

ネオコットは、いわゆるラグ接合ではなく、ラッパ状に加工したチューブを溶接する独自の方法で、これはこれで美しいフレームなんだけど、ラグ接合それもメッキラグという最初の条件にもどるとPanasonicのPOSになるということで、どちらにするのか悩んでいた。
なお、今現在、ネオコットは、廃番となり作られていない状況で、独特な形状の溶接技術をできる職人がいなくなったためなどと、まことしやかに言われているけど、本当にそうなのかはわからない。

ここで、2010年のハンドメイドバイシクル展に話を戻す。
今は出展していないパナソニックサイクルテックなんだけど、2010年のハンドメイドバイシクル展には出展していた。
POSのホームページには、ロストワックスのラグを使った溶接をすることは書いてあったけど、メッキラグができるのか確証がなかったので、展示会に来ていたPOSの担当者にこのことを確認してみた。
すると、フレームのフルメッキのオーダーを受け付けているので、ラグの部分を塗装しないメッキ出しすなわちメッキラグにすることは可能で、オーダーのときにその旨を伝えればOKという回答をもらった。
今はどうなのかわからないけど、そのときの担当者曰く、(具体的にどの部分という話かは覚えていないけど)注文のときに言ってくれれば、HP等に書いてないことでも、結構対応できることがあるみたいなことを言っていたのも覚えている。
これで、わたしのPanasonicのPOSで自転車を作るという決心が固まった。

ちなみに2010年の展示会の後、さすがにその足で自転車のオーダーに行ったわけではないけど、上野あたりの自転車屋さんめぐりをして、わたしにとってはまぁまぁ高い自転車用シューズを買って帰った。
家に着くと、奥さんに、不機嫌そうというか、不信感満載の顔で出迎えられた。
わたしが会社にいるときは携帯にあまり出ないものだから、ちょっと聞きたいことがあって、たまたまわたしの会社に直接電話をしたら、半休をとってもう帰ったと伝えられたと、「で、どこで何してたの?」と問い詰められた。
・・・浮気をうたがっていたようだ。
わたしは、勝手に休んで自転車の展示会に行ったことは知られても良かったんだけど、あまりバレたくなかったまぁまぁ高い自転車用シューズを買ったことまで話さざるを得なくなり、翌日にお詫びという訳ではないけどなにか(たしかピアスだった気がする)買わされた。

いろいろ長くなったけど、そんな思い入れや思い出のある「ハンドメイドバイシクル展」である。
ただし、やはり自転車を買う予定もないのにこのような展示会に行っても、あまり楽しめないというのも事実。
今回の会場滞在時間は15~20分くらいだったんじゃないかと思う。
コロナ対策には有効というくらいの短時間滞在だった。

滞在時間が短かったのは、実は自転車の錠をもってくるのを忘れて、盗難可能な状態で駐輪場に置いていたことも少しは関係する。

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この手のイベントでは展示会場よりも駐輪場のほうがマニアックな自転車があったりするので、それも楽しみのひとつなんだけど、さすがに人様の自転車を許可なく写真にとるのはやめておいた。
わたしはこの日DAHONのJETSTREAMで行ったので、わたしの自転車の10倍以上するだろう自転車も駐輪されていて、盗むならわたしの折り畳み小径車ではなくそっちだろうなどとも思いつつも、さすがに錠無しでの長時間駐輪はやめておいた。
一応、イベントの主催者関連の人が見張りでいたけどね。

帰りは寄り道はしなかったけど少し遠回りして帰った。
御成門の交差点は帰り道なので、特別に遠回りして立ち寄った訳ではないけど、東京タワーが良く見えたので、記念(?)に1枚。

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結局、89kmほど走った。

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ほぼ平地で、信号によるストップ&ゴーはあったけど、あちこち立ち寄った初乗りよりも疲れなかったかな。
そういえば、年初めの一発目に自転車に乗った記事を「初乗り」と書いたけど、他の人のSNSなんかを見ていたら「走り初め」と書いている人がいて、そっちのほうがかっこよかったな。

 

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